太陽光パネルの軽量化支援 EVやドローン向け 経産省 開発費を補助

太陽光パネルの軽量化支援 EVやドローン向け 経産省 開発費を補助

国際競争が激化する太陽光パネルを巡り、経済産業省は軽量で電気自動車(EV)やドローンにも搭載できる次世代型の開発の財政措置を使った支援に乗り出す。従来型の太陽光パネルで中国勢などに圧倒的な差をつけられたのを教訓に、官民連携で商用化をめざして巻き返しを図る。国土面積の狭い日本でも太陽光発電を導入できる余地を広げて、再生可能エネルギー利用の拡大につなげる狙いもある。
経産省が後押しするのは「ペロブスカイト」と呼ばれる特殊な結晶構造を持つ物質を材料に使う次世代太陽光パネルだ。現在主流のシリコン製に比べて圧倒的に軽く、折り曲げられるのが特徴だ。ビルの壁や湾曲した建物の屋上に貼れる。電気自動車の屋根やドローン本体に搭載して電気を「自給自足」で動かすことなどへの活用も期待されている。

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経産省は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で開発に取り組む民間企業を支援する。2019年度末前後に開発案件を募集し、数件を対象に合計年30億円を補助する。最大で5年間にわたって支援する方針だ。経産省によると「基礎研究では日本が世界のトップレベルにある」という。
もともとペロブスカイト太陽電池を開発したのは日本人研究者が最初とされる。どれだけ太陽光を電気に変換できるか示す変換効率でみると、桐蔭横浜大学や東京大学など複数の研究機関が20%以上を達成したと報告した。研究用の小型ながらシリコン製の従来型に迫る数字だ。民間企業でもパナソニックや積水化学工業、東芝などが商用化を見据えた技術開発に取り組んでいる。
政府は電源構成に占める再生エネルギーの割合を2030年までに22~24%にする目標を掲げている。18年度は16・9%まできたが、太陽光の導入が減速すると達成が厳しくなる。国土の狭い日本では、地面に並べて使うことが多いシリコン製の太陽光パネルは導入余地が少ない。エネルギー白書によると、再生エネ導入量を国土面積で割った数字は日本が世界8位で英国やフランス、中国などより上だ。
海外勢も次世代型の開発に力を入れる。中国や英国の企業が量産化に乗り出しており、論文や特許申請も数多く提出されている。経産省によると、同分野の論文報告数では中国が最も多い。

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かつてシリコン製の太陽光パネルでは日本企業がシェア上位を占めながら、現在では中国など海外メーカーに圧倒されている。中国勢は補助金など国主導で産業育成を推し進めてきたためだ。増産投資を積極化し、官民の連携が不足した日本勢を大きく引き離すほどコスト面で優位に立った。
米政府が中国製の太陽光パネルを念頭に輸入制限を発動すると、韓国のハンファQセルズがシェアを伸ばすなど、各国メーカーがしのぎを削っている。
原子力発電の再稼働が広がらず、石炭火力発電にも世界的な批判が高まる中、太陽光など再生エネはこれまで以上に重要性を増す。蓄電池の普及策や送電線の使用ルールなど、再生エネを主力電源として使うための課題は多く、次世代型パネルの開発と並行した制度設計が必要となる。


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