ドローンニュース 電力会社のインフラ点検

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電力会社が鉄塔など送電インフラの保守・点検に新技術の導入を着々と進めている。ドローンによる撮影や金属腐食の自動診断技術だ。作業の効率化や安全性の向上につなげる狙いがある。コスト削減を目指すだけでなく、ベテラン技術者の息の長い活躍にもつながりそうだ。
ブーンというプロペラの音が高まると、ドローンが鉄塔の上部まで飛んでいった。高さ50メートル程の頂上部まで、ほんの数秒だ。操作は合計3人で行う。ドローン本体の操作と、画像の撮影、風速の計測など全体を見渡し安全に気を配る担当だ。
「設備に接触しないように操作するのが重要」と、送電線の保守・点検を担う担当者は慎重を期す。衝突は重大事故につながりかねず、絶対に避けねばならない。天候によっては風の影響を受けることがあるため、操作は緊張感にあふれている。
技能者が登って確認すると半日かかっていた作業も、ドローンを使えば短時間で終わる。効率化につながるだけでなく、高所からの作業者の落下や感電のリスクもない。高所に登る体力がいらないため、「50~60歳代の知識の豊富なベテランの活躍の場が広がる」という利点もある。
撮影した画像の活用も進む。電力会社は鉄塔など金属部分の腐食を自動判別する技術の試験運用を2018年度に始める。腐食度合いから用意した画像と照らし合わせ、腐食の進行を10段階で評価、修繕の必要性を見極めて効率的な保全につなげるものだ。科学的な判断ができ、個人差がなくなる。
撮影と判断の双方で効率化を進めることで、「保全のスケジュールが立てやすくなり、設備の寿命判断ができる」と見込む。今後は人工知能(AI)の活用なども視野に入れ、効率化を目指す。ベテラン社員が現場でなくオフィスにいても、培った知見を生かせるようになる。
安定供給が命である電力会社にとって、送電網の保守・点検の作業内容を変更することは、重大な決断となる。新技術を十分な検証をせずに採用し、問題が生じれば大停電を引き起こしかねないからだ。
それでも、電力会社は最新技術の取り込みに積極的だ。電力小売りの全面自由化など、市場の独占から競争が激しい環境に変化した。その中で採算性を改善するには、作業効率を高め、コスト削減をすすめる必要があるからだ。さらに、より高度な保守・点検や修繕を目指すには、技術革新が欠かせないとの思いもある。作業そのものに派手さはないが、ベンチャーとの連携など先進的な取り組みが今後も進みそうだ。

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