サングリン太陽園 次は ドローン 「スマート農業」に注力

サングリン太陽園 次は ドローン 「スマート農業」に注力

農業用資材卸のサングリン太陽園(札幌市)は1917年(大正6年)創業の百年企業だ。医薬品・工業用薬品の販売から始め、約90年前には農業資材分野に参入。商号を北斗農薬、太陽園、太陽園農材、そしてサングリン太陽園と変えながら、道内農業の発展とともに業容を拡大してきた。その老舗が次代の役目として自任するのが「スマート農業のけん引役」だ。
11月26日、札幌市内のホテルで「スマート農業共同体(SAc)」という任意団体のキックオフ会議が開かれた。農業のIT(情報技術)化を推進するために関係者間の情報共有を支援する組織で、約200人の参加者のうち企業関係者と農業生産者が半々。構成員には北海道銀行や酪農学園大学、カネコ育苗、ヤマハ発動機、住友化学など道内外の約60社・団体が名を連ねた。
SAcの立ち上げを主導し、事務局も務めるのがサングリン太陽園と、同社傘下の北日本スカイテック(札幌市)だ。両社の社長を兼務する北浜宏一社長は「道内だけにとどまらない大きな反響があった」と手応えを感じている。サングリン太陽園と地場農家・農協との強固な取引関係を踏まえ、道内の農業市場での販売拡大を狙う企業が数多く参集。フェイスブックの専用ページを開くなど新規参加も促す。
北浜社長の思いはシンプルだ。「少子高齢化や担い手不足に苦しむ農家の負担を少しでも軽減したい」。30年ほど前にヤマハ発動機と共同出資で会社を設立。農薬散布に使われる無人ヘリコプターを道内農家に先駆的に販売した。この会社が北日本スカイテックで、農業用無人ヘリ販売で全道6割のシェアを持っている。
現在は一歩前に進み、農業支援システム「SCAP」の販売も始めた。これは地理情報システム(GIS)を活用し、無人ヘリによる農薬の散布作業履歴を農場全体にわたり、一目でわかるようにした。スマート農業に関連する技術的な素地はすでに持ち合わせており、北浜社長は「次はドローン」と話す。SAcの立ち上げは先進技術の情報をいち早く吸い上げる狙いもある。
今年6月、北広島市に敷地面積5.5ヘクタール、総投資額約9億円の施設「テクノロジーファーム西の里」が完成した。プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新球場建設予定地にほど近い場所だ。農家から預かった無人ヘリの保守管理のほか、飼料用トウモロコシの品種開発も手掛ける複合施設。SAcの活動拠点としても機能することが期待されている。
グループ売上高は2017年度で約103億円。9億円の投資は決して小さくないが、北浜社長は「農業は景気に左右されにくいという性質があり、関連業者である我々も長期の経営計画が立てやすい面がある。長期視点での投資で回収できる」と説明する。道内農業のスマート化を引っ張る存在となるべく、未来を見すえた挑戦が始まっている。

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