メタウォーター 上下水道に先端技術活用 IoT・ドローン 投資枠10億円

メタウォーター 上下水道に先端技術活用 IoT・ドローン 投資枠10億円

水処理大手のメタウォーターは10億円の枠を設けてベンチャー企業への投資を始める。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」やドローンなど先端技術を持つ企業を発掘し、自社の上下水道事業で連携。国内では料金収入の減少や、専門人材の不足で事業の効率化が求められており、高度な技術を取り入れて水道運営の収益性を高める。
新たに設ける投資枠の対象は、1件あたり3億円以下を想定。2018年度内にも第1号案件を決める方針だ。マイノリティー出資とし、キャピタルゲインを目的としない。IoTやAI(人工知能)などIT(情報技術)分野に限らず、上下水道やごみ処理事業などとの相乗効果を期待できる技術を持つ新興企業を、幅広く対象にする。
財務企画室の荻原孝太郎資金部部長代理は「例えばタグIC技術を持つ企業と組み、自治体が持つ資産管理を効率化できれば、官民連携の促進にもつながる」と話す。
投資決定を早めるため、経営会議を通れば社長決裁で投資できるようにする。出資案件の検討から1~2カ月をメドに投資の可否の決定が可能。従来は業務執行取締役や執行役員が出席する経営会議で審議した後、再び取締役会での決議が必要で、時間が長引いた。
投資を実施した案件の成否については、3年をメドに判断。成功したと判断した場合はベンチャー枠から外し、本体との協業や技術の吸収を踏まえて関係を再構築する。
日本の上下水道事業では財政難と人手不足が慢性的な課題。08年に約1億2800万人だった人口は50年には1億人を切る見込みで、水需要や料金収入も縮小する。
足元のメタウォーターの収益環境は厳しい。18年3月期を最終年度とする中期経営計画で100億円だった営業利益目標は達成できず、現行の中計は21年3月期に90億円を目指すにとどまる。
同社はベンチャーへの出資や協業を通じ、大企業が持たない先進技術や事業スピードを獲得。上下水道事業を中長期的に安定運営したい考えだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。