AIの頭脳、陣取り合戦、エヌビディア、農業で協業、半導体、次の「本命」競う。

画像などのビッグデータを高速処理する人工知能(AI)半導体を巡る陣取り合戦が激しくなっている。米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は13日、都内で開いた講演で、ヤマハ発動機と農業などの分野で協業すると発表した。ライバルの米インテルとの戦線は自動運転やデータセンターから幅広い産業分野に広がってきた。
「農業や物流、漁業などの分野で人手不足の解消に役立っていく」。この日、フアンCEOはヤマハ発動機との連携が農業などの課題解決につながると宣言した。
協業の目玉は2020年の市場投入をめざす農業用の無人車両だ。野菜やフルーツの収穫作業や運搬を自動化できる。農業にも使う産業用ドローンの自動化も進める。
AI半導体はこれまで自動運転車向けの市場が拡大してきた。深刻な人手不足で自動化が求められる農業や工作機械、建設機械などがもう一つの主戦場になってきた。
英IHSマークイットによると、自動車向け半導体市場は20年に500億ドルと17年に比べ3割拡大する一方、産業機器向けも623億ドルと同3割拡大する見通し。IHSマークイットの南川明主席アナリストは「産業機器の市場は皆が狙っており、自動車のように競争が激しくなる」と話す。
エヌビディアが手掛ける画像処理半導体(GPU)は大量のデータを効率よく処理できるため、AIの基幹技術である深層学習(ディープラーニング)に向く。機器などの「頭脳」としての役割を果たすことから、同社の製品はAI半導体の代表格になった。すでに建機ではコマツ、工作機械ではファナックなど全方面で協業を進めている。
ライバルの米インテルも猛追する。同社はパソコンやサーバー向けのCPU(中央演算処理装置)で高いシェアを誇るが、単独でAIの計算をするには不向きだ。17年に車載カメラの画像解析に優れたイスラエルのモービルアイを買収するなど、外の力を使ってAI半導体の技術を獲得。今年5月には深層学習に特化した新たな半導体を19年に投入すると発表した。
パソコン用CPUでインテルが覇権を握ったように、デジタルの分野では一握りの勝者が圧倒的なシェアを獲得する。成長が確実視されるAI半導体は米グーグルが製品の供給を始めるほか、アリババ集団など中国勢も開発を進めている。あらゆるモノがネットにつながるIoTが様々な産業に広がるなか、半導体の次の「本命」を巡る競争は一段と激しくなりそうだ。

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