オプティム、AI×ドローンで浮上する株価の行方は

佐賀大学発のベンチャーで、システム開発のオプティムの株価が急ピッチで上昇している。2014年に東証マザーズ上場、翌15年に東証1部にくら替えした企業だ。ここ数年は人工知能(AI)を使ったシステム開発に注力。AIと小型無人機「ドローン」を組み合わせて農業や建設現場の作業を効率化するサービスを提供している。「AI関連銘柄」として物色されており、株価は14年の上場直後につけた最高値をうかがう勢いだ。
佐賀県の、とある黒大豆の農家。その農園では毎朝、上空をドローンが飛び回る。搭載されたカメラで農作物を撮影し、どの場所に害虫がいるかといったデータをクラウドサービス上で可視化する。1時間もたたないうちに集約されたデータを見て、農家は農薬を散布する場所を決める。自分の目で確認して害虫を見つけていた以前と比べて、作業効率は大幅に改善されたという。
このサービスを提供するのがオプティムだ。同社は社長の菅谷俊二氏が佐賀大学農学部の在学中の2000年に起業。現在の主力事業は、企業の従業員が使うスマートフォンのセキュリティー管理サービスだ。何百台もの端末を対象に一括して初期設定ができるなど利便性が高い。KDDIなどとも提携しており、MDM(モバイルデバイス管理)と呼ぶ分野では国内で約5割のシェアを持つ。
さらに前期(18年3月期)からはAIを活用したクラウドサービスに注力している。農家に着目したのは、「就労人口が減る農業こそIT(情報技術)による効率化が必要」(菅谷社長)とのモットーがあるためだ。
このサービスは建設や医療業界にも広げている。17年にはコマツなどと合弁会社「ランドログ」を設立した。人手に頼ることの多い建設現場で、ドローンが日々、上空から現場を撮影してデータを可視化することで、人手や建機などの配置を最適化できるという。
新規事業が好感され、株価は今年2月以降、大きく上昇。9月3日の終値は3890円と昨年末に比べて43%高い。14年11月につけた株式分割考慮後の上場来高値(4337.5円)をうかがう水準にある。新規株式公開(IPO)した銘柄は直後に高値をつけ、その後は長期間低迷するケースも多いが、オプティムは約4年越しで突破する可能性が出てきた。
だがAI関連は先端分野だけに、投資もかさむ。オプティムは18年3月期に、新規事業への研究開発費として、売上高の約4割に相当する約16億円を計上した。単独営業利益も4億100万円と前の期比で約4割減った。林昭宏取締役は「前期と今期(19年3月期)は勝負の年」と語る。今期も研究開発費が20億円ほどかさむ見通しで、利益貢献は来期以降まで時間がかかりそうだ。
個人投資家が売買の中心ということもあり、株価の値動きには荒さが目立つ。8月13日に発表した18年4~6月期の営業損益が1億9600万円の赤字だったことなどが嫌気され、翌14日の株価は一時13%安となった。その後は押し目買いなどが入り、結局は8%高で引けた。9月3日時点の予想PER(株価収益率)は141倍と過熱感もにじむ。
いちよし経済研究所の藤田要氏は「提携先の拡大などで新規事業の利益貢献の確実性が高まれば、上場来高値の更新もみえてくる」と指摘する。一過性のブームによる株高とならないためにも、早期の利益貢献がカギを握る。

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